平成17年度 2学年総合試験 午後実施分 13:101410

(平成18228日実施)

 

 

1 細胞分裂時におこる現象はどれか。

 

a.RNAが複製される。

b.すべてのタンパク質が分解され新たに合成される。

c.核構造が一度消失する。

d.核膜にスペクトリンが結合する。

e.ミトコンドリアが一度消失する。

 

 

2 翻訳について正しいのはどれか。

 

a.核小体でおこる。

b.発現調節は転写レベルで行われ翻訳レベルではおこらない。

c.mRNAの塩基配列はATGから始まる。

d.N末端からC末端へ向かって合成される。

e.真核細胞のmRNAはポリシストロニックである。

 

 

3 生態のエネルギー通貨といわれるのはどれか。

 

a.グルコース

b.ATP

c.GTP

d.ADP

e.サイクリックAMP

 

 

4 ビタミンB12の吸収が障害されないのはどれか。

 

a.胃全摘

b.萎縮性胃炎

c.回腸切除

d.Crohn

e.潰瘍性大腸炎

 

 

5 血中の水素イオン濃度の異常を伴わない病態はどれか。

 

a.過換気症候群

b.窒息

c.尿毒症

d.ネフローゼ症候群

e.原発性アルドステロン症

 

 

6  激しい下痢が続いたときの酸―塩基平衡として正しいのはどれか。

 

a.代謝性アシドーシス

b.代謝性アルカローシス

c.呼吸性アシドーシス

d.呼吸性アルカローシス

e.血液pHは特に変化しない。

 

 

7 図のような働きをする酵素はどれか。

 

 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


a.タンパク質分解酵素

b.酸化還元酵素

c.アミノ基転移酵素

d.制限酵素

e.DNA連結酵素

 

 

8 細胞膜を構成する分子はどれか。

 

a.グルコース

b.コレステロール

c.テストステロン

d.トリグリセリド

e.プロスタグランジン

 

 

9  クエン酸回路で産生しないのはどれか。

 

a.NO

b.CO2

c.GTP

d.NADH

e.FADH2

 

 

10 タンパク質が合成される場所はどれか。

 

a.

b.粗面小胞体

c.リソソーム

d.ミトコンドリア

e.ペルオキシソーム

 

11 PCRで不要なのはどれか。

 

a.鋳型DNA

b.デオキシヌクレオシド三リン酸

c. DNAポリメラーゼ

d.プライマー

e.制限酵素

 

 

12 細胞診について正しいのはどれか。

    

a.剥離細胞の異型度を見るものである。

b.悪性腫瘍の進行度を見るものである。

c.ウイルス感染の有無を見るものである。

d.血液中の異型細胞の有無を見るものである。

e.悪性腫瘍の分化度を見るものである。

 

 

13 77歳の男性。骨折部を生検したところ、小型の異型細胞が認められた。

電顕的にこの細胞には神経内分泌顆粒様の構造が認められた。正しいのはどれか。

 

a.肺癌の転移が考えられる。

b.骨肉腫が考えられる。

c.悪性リンパ腫の転移が考えられるo

d.前立腺癌の転移が考えられる。

e.骨芽細胞の反応性増生が考えられる。

 

 

14 53歳の男性。軽度の肝機能障害が見られる。生検により肝細胞に好酸性の硝子様物質が認められた。正しいのはどれか。

 

a.肝細胞のアポトーシス

b.急性ウイルス性肝炎

c.毛細胆管の閉塞

d.脂肪変性

e.アルコール性肝炎

 

 

15 歯根部に生じた嚢胞壁の組織像を別に示す。適切なのはどれか。

 

 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


a.良性上皮性腫瘍

b.悪性上皮性腫瘍

c.悪性非上皮性腫瘍

d.急性炎症性病変

e.慢性炎症性痛変

 

 

16 静脈性塞栓症を起こしやすい臓器はどれか。

 

a.

b.

c.

d.

e.

 

 

17 悪性腫瘍の特徴はどれか。

 

a.生命予後がよい。

b.転移しない。

c.緩徐な発育である。

d.増生する細胞の核細胞質比が低い。

e.増生する細胞に核の多形性がみられる。

 

 

18 血栓の転帰として考えられないものはどれか。

 

a.融解

b.器質化

c.再疎通

d.癌化

e.塞栓化

 

 

19 食道の背側にあるのはどれか。

 

a.脊椎

b.気管

c.心臓

d.胸腺

e.胸骨

 

 

20 痔核の本態はどれか。

 

a.静脈瘤

b.直腸炎

c.過形成ポリープ

d.憩室

e.イレウス

 

 

21  膵癌で多いのはどれか。

 

a.扁平上皮癌

b.腺扁平上皮癌

c.腺癌

d.未分化癌

e.濾胞癌

 

 

22  胃内視鏡検査で粘膜のびらんと不整を示す部分があり、生検を行った。組織像(H-E染色)を別にしめす。診断はどれか。

 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


a.慢性胃炎

b.慢性胃潰瘍

c.胃アニサキス症

d.胃癌

e.胃悪性リンパ腫

 

 

23 急性心筋梗塞で入院加療中、第6病日に急変し、死亡した。剖検時の心臓横断面写真を別に示す。この写真から推測できる直接死因はどれか。

 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


a.肺うっ血水腫

b.心室瘤

c.心タンボナーデ

d.僧帽弁逆流

e.不整脈

 

 

24 循環器ならびに血液の障害とその病態についての組合せで正しいのはどれか。

 

a.左心不全・・・うっ血性肝硬変

b.肺梗塞・・・・貧血性梗塞

c.心筋梗塞・・・出血性梗塞

d.溶血性貧血・・脳出血

e.敗血症・・・・播種性血管内凝固症候群

 

 

25 変性・細胞障害に関して正しいのはどれか。

 

a.フィブリノイド変性は炎症で著明に認められる。

b.胃癌の印環細胞癌は粘液変性の1例である。

c.アルコール性肝炎で肝細胞にみられるマロリー小体は脂肪変性の1例である。

d.心アミロイドーシスは冠状動脈の虚血と関連がある。

e.痛風の主たる原因は膠原病である。

 

 

26 代謝障害について正しいのはどれか。

 

a.閉塞性黄痘では血液中に間接ビリルビンの増加がみられる。

b.ヘモクロマトーシスでは高度の色素沈着があるが臓器障害は伴わない。

c.動脈粥状硬化では脂質沈着は主として内膜にみられる。

d.糖尿病は膵ランゲルハンス島のA細胞の異常によって引き起こされる。

e.痛風は組織中への酸性ムコ多糖類の異常増加が原因となる。

 

 

27 可能性が低いと考えられる組合せはどれか。

 

a.家族性大腸ポリポーシス・・・大腸癌

b.ヒトパピローマウイルス・・・子宮頚癌

c.癌抑制遺伝子異常・・・・・・胃癌

d.喫煙・・・・・・・・・・・・肺癌

e.アスベスト・・・・・・・・・皮膚癌

 

 

28 代謝について誤っているのはどれか。

 

a.糖原病では主にグリコーゲンの分解に関する酸素の先天的欠損が多く見られる。

b.2型糖尿病ではランゲルハンス島にアミロイドが沈着しB細胞が減少している。

c.アミロイドーシスではコンゴ赤染色後に偏光顕微鏡でみると緑色の複屈折を示す。

d.痛風では関節や軟骨,皮膚,腎臓などの組織内に尿酸結晶の沈着がみられる。

e.慢性右心不全の患者では初期から肝小葉にびまん性の脂肪沈着を来たす。

 

 

29 食中毒の原因菌として誤っているのはどれか。

 

a.カンピロバクター

b.病原性大腸菌O157

c.サルモネラ

d.レジオネラ

e.腸炎ビブリオ

 

 

30 日和見感染症・院内感染について誤っているのはどれか。

 

a.病院内には抗生物質耐性菌が蔓延している。

b.セラチアはしばしば院内感染を起こす。

c.医療従事者の手洗いは気休めである。

d.緑膿菌は消毒薬に高い抵抗性を示す。

e.偽膜性大腸炎は芽胞を介して院内感染をおこす。

 

 

31 動物と関係の深い感染症で誤っているのはどれか。

 

a.サルと黄熱病

b.ウマと日本脳炎

c.オウム病とクラミジア・シタッシ

d.ネコと先天性トキソフラズマ症

e.ハトの糞とクリプトコッカス髄膜炎

 

 

32 誤っている組合せはどれか。

 

a.口腔内連鎖球菌・・・・・亜急性心内膜炎

b.SARSウイルス・・・・・急性呼吸急迫症候群(ARDS

c.腸管出血性病原性大腸菌・・溶血性尿毒症症候群

d.風疹ウイルス・・・・・・先天性巨細胞封入体病

e.ハンタウイルス・・・・・腎症候性出血熱

 

 

33 ウイルスの感染様式で誤っているのはどれか。

 

a.急性感染・・・・・ポリオウイルス

b.潜伏感染・・・・・EBウイルス

c.慢性感染・・・・・E型肝炎ウイルス

d.回帰感染・・・・・単純ヘルペスウイルス

e.遅発性感染・・・・麻疹ウイルス

 

 

34 ウイルス感染に対して予防効果は長いが感染の危険があるのはどれか。

 

a.不括化ワクチン

b.弱毒生ワクチン

c.成分ワクチン

d.合成ペプチドワクチン

e.トキソイド

 

 

35 グラム染色に関する説明で誤っているのはどれか。

 

a.グラム陽性菌は青〜紫に染まる。

b.グラム陰性菌は赤〜ピンクに染まる。

c.染色標本は形態も観察する。

d.抗酸菌はグラム染色で染まりやすい。

e.未知の分離菌株には、まずグラム染色を行う。

 

 

36 細菌の病原因子で誤っているのはどれか。

 

a.線毛・・・・・・・定着因子

b.リボタイコ酸・・・定着因子

c.エンドトキシン・・侵入因子

d.コラゲナーゼ・・・侵入因子

e.莢膜・・・・・・・侵入因子

 

 

37 胎児および新生児に感染して障害を及ぼす病原体として誤っているのはどれか。

 

a.トキソプラズマ

b.B型肝炎ウイルス

c.水痘・帯状疱疹ウイルス

d.アデノウイルス

e.サイトメガロウイルス

 

 

38 ウイルス感染症の検査方法について誤っているのはどれか。

 

a.病原体を直接検出する方法と病原体に村する宿主の免疫応答を検査するものに大別できる。

b.電子顕微鏡検査はウイルスに固有の形態学的特徴を観察するものである。

c.血清診断は、急性期血清と回復期血清の組み合わせ(ペア血清)を用いて免疫応答を検査する。

d.ELISAは抗原抗体反応を利用した検査方法である。

e.ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)はウイルスタンパクを検出する。

 

 

39 かぜ症候群の病原体として誤っているのはどれか。

 

a.インフルエンザウイルス

b.アデノウイルス

c.ノロウイルス

d.ライノウイルス

e.エンテロウイルス

 

 

40 地球上から根絶された伝染病はどれか。

 

a.ペスト

b.ジフテリア

c.黄熱病

d.痘瘡

e.急性灰白髄炎

 

 

41 誤っている組合せはどれか。

 

a.即時型(T型)アレルギー反応・・IgE

b.リウマトイド因子・・・・・・・・IgM

c.ループス腎炎・・・・・・・・・免疫複合体

d.急性拒絶反応・・・・・・・・・Bリンパ球

e.ツベルクリン反応・・・・・・・Th1細胞

 

 

42 ヒトの免疫グロブリンのうち、胎盤通過能を持つのはどれか。

       

a.IgE

b.IgG3

c.IgA1

d.IgM

e.IgD

 

 

43 ヒトの免疫グロブリンのうち、健常者の涙液中で最も濃度が高いイソタイプはどか。

 

a. IgG

b. IgA

c. IgM

d. IgD

e. IgE

 

 

44 炎症反応の過程で流血中の白血球が「ローリング」を起こすのに関与する分子はどれか。

 

a.インテグリン

 b.CD14

 c.IL8

  d.E-セレクチン

  e.ICAM1

 

 

45 遅延型過敏症に分類される疾病はどれか。

 

a.気管支喘息

b.ペニシリンショック

c.血清病

d.接触性皮膚炎

e.花粉症

 

46 胸腺におけるT細胞のポジティブセレクションの説明として正しいのはどれか。

 

a.多価表面抗原に反応できるT細胞の除去

b.可溶性自己抗原へ結合できないT細胞の除去

c.自己抗原を認識するT細胞の除去

d.隔絶抗原を認識するT細胞の除去

e.自己MHC分子を認識できないT細胞の除去

 

 

47 リンパ節などの二次リンパ組織に観察される胚中心は、どの細胞が主に増殖すとで

   形成されたものか。

                        ・

a.CD8陽性丁細胞

b.B細胞

c.単球

d.血管内皮細胞

e. 赤血球

 

 

48 抗体(免疫グロブリン)の多様性を生み出すしくみに直接関係しないのはどれか。

 

a.重鎖と軽鎖それぞれにおける多数のX(D)J遺伝子座の存在

b.X(D)J遺伝子結合部での塩基の添加あるいは削除

c.体細胞高頻度突然変異

d.重鎖と軽鎖間の多様な組合せ                  

e.対立遺伝子排除

 

 

49 CD4陽性T細胞に対してMHCに結合したペプチド抗原を提示できる細胞はどれか。

 

a.B細胞

b.好酸球

c.NK細胞

d.好中球

e.マスト細胞

 

 

50 Bリンパ球は骨髄内で成熟した後に末梢へと送られる。骨髄から出たばかりのB胞はどのアイソタイプの免疫グロブリンを細胞表面に発現しているか。

 

a.IgA

b.IgE

c.IgG1

d.IgG2

e.IgM

inserted by FC2 system